移民者の消息、とくにその渡航年月日や乗った船あるいは本籍を調べるのに、従来は
国立国会図書館のデジタルコレクション
http://dl.ndl.go.jp/
中の
「伯剌西爾行移民名簿」
の、
1908(明治41)年の笠戸丸
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/994058
以降、
1941(昭和16)年のぶえのすあいれす丸〔第306回〕
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1451876
までの移民記録*中から探し出していた。
なお、この種のシリーズものの出版物の場合に作られていることが多い「まとめ」ページが、これらの記録にはなく、また、
索引〔ア-ソ〕
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2222419
索引〔タ-ワ〕
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2222607
はあるものの、各頭文字ごとに、渡航順に記載されているので、多かれ少なかれ「虱潰し」に探し出すしかなかったのである。
*したがって、業務(移民会社関係者を含む)や観光目的の渡航者は当然含まれないし、移民会社取扱い外の自費自由渡航者もリストアップされていない。
■今回…
ブラジルのサイトである
ブラジル移民資料館
http://www.museubunkyo.org.br/jp/index.htm
のWebページに
「足跡プロジェクト 移民船の乗船者名簿」
http://www.museubunkyo.org.br/ashiato/web2/imigrantes.asp
というデータベースが見つかった。
検索方法は下図のとおり
なお
- 情報の船名などの欄は、指定することで、いわゆるノイズを減らすことはできるが、指定が不可欠ではないので、単純に氏名欄に「名-氏」「名」「氏」のどれかをローマ字で入力して「Buscar」キーをクリックすればよい
- データ表示画面から元の検索画面に戻るには、「[Sistema de Busca] の右下に表示される[Voltar]と書かれた矢印をクリックする(下図白〇)
■アタリを付ける意味で…
”Hisae Sakiyama”など何人かについて検索してみたが、戦前の移民者については、冒頭の「伯剌西爾行移民名簿」のデータに依拠しているようで(従って、原典同様に自由移民者は出てこない)、それに戦後再開後の移民者を追加したものと思われる。
また、膨大なデータだけに、当然誤読もあり、たとえば比佐衛の次女「精子」さんは"KIYOKO"となっていて、あり得ない読み方ではないにしても、根拠はまだ見つかっていない。
さらに、ローマ字表記の「ゆらぎ」、たとえば”Ueda”と”Uyeda”といった類も有るし、比佐衛自身もどこかで”Hisaye”と表記していたこともあるので、中間一致検索が可能なこともあって、最初はやや「手広く」検索をかけた方がよさそうである。
■あとは…
先の「伯剌西爾行移民名簿」から、"Navio"記載の船と、”Partida”記載の出港日から、該当のデータを探し当てることができるし、むしろ、何よりありがたいことは「データがない」ことを短時間で確認できるところにあるともいえる。
【余録】
なんだか趣旨がよくわからないが、突然検索の網にひっかかってきた
まず間違いなく崎山比佐衛の肖像
https://scontent.cdninstagram.com/Stalkture/s640x640/20901899_1509206295804213_7113645016857182208_n.jpg
どうやら、サンパウロ新聞2013年1月28日のこの
「2月28日まで開催中 「移民の肖像画展」開会式」
http://saopauloshimbun.com/2%E6%9C%8828%E6%97%A5%E3%81%BE%E3%81%A7%E9%96%8B%E5%82%AC%E4%B8%AD%E3%80%80%E3%80%8C%E7%A7%BB%E6%B0%91%E3%81%AE%E8%82%96%E5%83%8F%E7%94%BB%E5%B1%95%E3%80%8D%E9%96%8B%E4%BC%9A%E5%BC%8F/
記事の写真、左端の絵のクローズアップのようである。
【出典追記】
1954年 半田知雄* 作 ブラジル日本文化資料館・蔵 の由
* http://www.gendaiza.org/aliansa/lib/13hand.html
https://www.miuraz.co.jp/miurart/special/080720/index.html 参照